2級正誤問題(2021年9月)-相続
【問1】
書面によらない贈与においては、その履行がなされていない場合であっても、各当事者は契約の解除をすることができない。
【答1】
×:書面によらない贈与契約で、まだ履行がされていないものについては、契約を解除することができます。
【問2】
定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に財産を給付することを目的とする贈与をいい、贈与者が死亡しても受贈者が生存している限り、その効力を失うことはない。
【答2】
×:定期贈与契約は、贈与者もしくは受贈者の一方が死亡した場合に、その効力が失われます。
【問3】
負担付贈与では、受贈者がその負担である義務を履行しない場合において、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、贈与者は、原則として、当該贈与の契約の解除をすることができる。
【答3】
○:負担付贈与では、受贈者がその負担である義務を履行しない場合において、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、贈与者は、原則として、当該贈与の契約の解除をすることができます。
【問4】
死因贈与とは、贈与者の死亡によって効力が生じる贈与をいい、民法の遺贈に関する規定が準用され、死因贈与契約書については家庭裁判所による検認が必要である。
【答4】
×:死因贈与契約書についての検認は不要です。検認は、基本的に、封印されている遺言を開封する手続きですが、贈与契約書は封印する必要はありません(厳密に言えば、遺言も封印する必要はありません)。
【問5】
特別養子縁組が成立しても、養子と実方の父母との親族関係は終了しない。
【答5】
×:普通養子縁組が成立しても、養子と実方の父母との親族関係は終了しませんが、特別養子縁組が成立した場合、養子と実方の父母との親族関係が修了します。
【問6】
直系血族および兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務があるが、家庭裁判所は、特別の事情があるときは、3親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
【答6】
○:直系血族および兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務があるが、家庭裁判所は、特別の事情があるときは、3親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができます。
【問7】
本人の配偶者の兄弟姉妹は、3親等の姻族であり、親族である。
【答7】
×:本人の配偶者の兄弟姉妹は、2親等の姻族です。なお、親族とは、6親等内の血族および3親等内の姻族を刺しますから、本人の配偶者の兄弟姉妹も親族の範囲に含まれます。
【問8】
夫婦は、夫婦間の協議によってのみ、離婚をすることができる。
【答8】
×:夫婦は、夫婦間の協議に以外にも、裁判上の手続きにより離婚することができます。
【問9】
公正証書による遺言をした者は、その遺言を自筆証書による遺言によって撤回することはできない。
【答9】
×:自筆証書遺言と公正証書遺言とでは効力の強さに違いはありませんから、日付の新しい遺言が有効になるルールに従って、公正証書遺言の内容を自筆証書遺言により撤回することができます。
【問10】
自筆証書によって遺言をするためには、作成時、証人2人以上の立会いが必要である。
【答10】
×:自筆証書遺言は単独で作成することができますから、証人の立会いを要しません。
【問11】
未成年者が遺言をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。
【答11】
×:意思能力があれば、遺言は15歳から作成することができます。
【問12】
遺言書に認知する旨の記載をすることによって、遺言者は子の認知をすることができる。
【答12】
○:遺言書に認知する旨の記載をすることによって、遺言者は子の認知をすることができます。
【問13】
被相続人がその相続開始時に有していた事業上の売掛金は、相続税の課税対象となる。
【答13】
○:被相続人がその相続開始時に有していた事業上の売掛金は、相続税の課税対象となります。
【問14】
被相続人に支給されるべきであった退職手当金で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続税の課税対象となる。
【答14】
○:被相続人に支給されるべきであった退職手当金で、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものは、相続税の課税対象となります。
【問15】
相続または遺贈により財産を取得しなかった者が、相続開始前に被相続人から相続時精算課税制度の適用を受けて贈与により取得した財産は、相続税の課税対象とならない。
【答15】
×:相続開始前に被相続人から相続時精算課税制度の適用を受けて贈与により取得した財産は、贈与の時期を問わず、また、相続または遺贈により財産を取得しているか否かを問わず、相続税の課税対象となります。相続時精算課税制度は、相続の前倒しのような制度です。
【問16】
相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税の適用を受けて贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となる。
【答16】
○:相続または遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から暦年課税の適用を受けて贈与により取得した財産は、原則として相続税の課税対象となります。
【問17】
被相続人が団体信用生命保険に加入して金融機関から借り入れていた住宅ローンで、相続開始直前にローン残高があるものは相続財産の価額から債務控除することができる。
【答17】
×:被相続人が団体信用生命保険に加入して金融機関から借り入れていた住宅ローンは、相続の開始時に消滅しますから、債務控除の対象外です。
【問18】
被相続人が生前購入した墓碑の購入代金で、相続開始時点で未払いのものは相続財産の価額から債務控除することができる。
【答18】
×:非課税財産に係る債務は、債務控除の対象外です。
【問19】
遺言執行者である弁護士に支払った被相続人の相続に係る遺言執行費用は相続財産の価額から債務控除することができる。
【答19】
×:遺言執行費用は、相続税法上、債務控除の対象外です。
【問20】
特別寄与者に支払った特別寄与料で、特別寄与者に係る相続税の課税価格に算入されるものは相続財産の価額から債務控除することができる。
【答20】
○:特別寄与者に支払った特別寄与料で、特別寄与者に係る相続税の課税価格に算入されるものは、債務控除の対象です。
【問21】
外貨定期預金の価額の円貨換算については、原則として、取引金融機関が公表する課税時期における対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場によりの相続税評価を行う。
【答21】
○:外貨定期預金の価額の円貨換算については、原則として、取引金融機関が公表する課税時期における対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場によりの相続税評価を行います。
【問22】
既経過利子の額が少額である普通預金の価額は、課税時期現在の預入高により相続税評価を行う。
【答22】
○:既経過利子の額が少額である普通預金の価額は、課税時期現在の預入高により相続税評価を行います。
【問23】
個人向け国債の価額は、額面金額により相続税評価を行う。
【答23】
×:個人向け国債の相続税評価額は、課税時期において中途換金した場合に取扱機関から支払いを受けることができる価額(額面金額+経過利子相当額-中途換金調整額)により評価します。
【問24】
相続開始時において、保険事故がまだ発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、原則として、相続開始時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額により相続税評価を行う。
【答24】
○:相続開始時において、保険事故がまだ発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、原則として、相続開始時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額により相続税評価を行います。
【問25】
自用家屋の価額は、原則として、「その家屋の固定資産税評価額×1.0」の算式により計算した金額によって相続税評価を行う。
【答25】
○:自用家屋の価額は、原則として、「その家屋の固定資産税評価額×1.0」の算式により計算した金額によって相続税評価を行う。
【問26】
貸家の価額は、「自用家屋としての価額×借家権割合×賃貸割合」の算式により計算した金額によって相続税評価を行う。
【答26】
×:貸家の相続税評価額は、「自用家屋としての価額×(1-借家権割合×賃貸割合)」の算式により計算されます。
【問27】
建築中の家屋の価額は、「その家屋の費用現価×70%」の算式により計算した金額によって相続税評価を行う。
【答27】
○:建築中の家屋の価額は、「その家屋の費用現価×70%」の算式により計算した金額によって相続税評価を行う。
【問28】
構築物の価額は、原則として、「(その構築物の再建築価額-建築の時から課税時期までの期間に応ずる償却費の額の合計額または減価の額)×70%」の算式により計算した金額によって相続税評価を行う。
【答28】
○:構築物の価額は、原則として、「(その構築物の再建築価額-建築の時から課税時期までの期間に応ずる償却費の額の合計額または減価の額)×70%」の算式により計算した金額によって相続税評価を行う。
【問29】
受贈者の配偶者の父母(義父母)から住宅取得資金の贈与を受けた場合、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例の適用を受けることができない。
【答29】
○:受贈者の配偶者の父母(義父母)は直系尊属ではありません。
【問30】
受贈者が自己の居住の用に供する家屋とともにその敷地の用に供される土地を取得する場合において、その土地の取得の対価に充てるための金銭については、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例の適用を受けることができない。
【答30】
×:居住の用に供する家屋だけでなく、その敷地の取得費も、特例の適用対象です。
【問31】
新築した家屋が店舗併用住宅で、その家屋の登記簿上の床面積の2分の1超に相当する部分が店舗の用に供される場合において、その家屋の新築の対価に充てるための金銭については、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例の適用を受けることができない。
【答31】
○:特例の適用対象となる建物は、40㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が受贈者の居住の用に供されるものでなくてはなりません。
【問32】
住宅取得資金の贈与者が死亡した場合において、その相続人が贈与を受けた住宅取得資金のうち、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例の適用を受けて贈与税が非課税とされた金額については、その贈与が暦年課税または相続時精算課税制度のいずれの適用を受けていたとしても、相続税の課税価格に加算されない。
【答32】
○:住宅取得資金の贈与者が死亡した場合において、その相続人が贈与を受けた住宅取得資金のうち、本特例の適用を受けて贈与税が非課税とされた金額については、その贈与が暦年課税または相続時精算課税制度のいずれの適用を受けていたとしても、相続税の課税価格に加算されません。
【問33】
相続により土地を取得した者がその相続に係る相続税を延納する場合、取得した土地以外の土地を延納の担保として提供することはできない。
【答33】
×:延納の担保として提供する財産は、その種類には制限がありますが、相続や遺贈によって取得した財産に限らず、相続人固有の財産や、共同相続人又は第三者が所有している財産であっても担保として提供することができます。
【問34】
相続税は金銭による一括納付が原則であるが、一括納付や延納が困難な場合、納税義務者は、物納を申請することができる。
【答34】
○:物納は、任意に選択することができず、延納によっても納付することができない場合の最終手段です。
【問35】
相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産は、物納に充てることができない。
【答35】
○:相続人固有の財産や相続時精算課税制度による贈与財産は、物納に充てることはできません(生前贈与加算の対象となった財産は物納できます)。
【問36】
「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けた宅地を物納する場合の収納価額は、特例適用後の価額である。
【答36】
○:「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用を受けた宅地を物納する場合の収納価額は、特例適用後の価額です。
【問37】
公開会社とは、その発行する全部または一部の株式に譲渡制限のない株式会社のことであり、金融商品取引所に上場することが義務付けられている。
【答37】
×:会社法上、公開会社とは、その発行する全部または一部の株式に譲渡制限のない株式会社を言い、必ずしも上場会社を指すものではありません。
【問38】
株式会社は、設立時に最低資本金額として100万円が必要である。
【答38】
×:株式会社の設立時の最低資本金額は、1円です。
【問39】
株式会社が取締役会を設置する場合、2人以上の取締役を置かなければならない。
【答39】
×:株式会社が取締役会を設置する場合、3人以上の取締役を置かなくてはいけません。
【問40】
株式会社が特定の株主から自己株式を有償で取得する場合、株主総会の特別決議が必要となる。
【答40】
○:株式会社が特定の株主から自己株式を有償で取得する場合、株主総会の特別決議が必要となる。
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